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オオヒョウタンゴミムシ の最大は!

【昆虫博物学

オオヒョウタンゴミムシの大きさ

         における一考察

                  

 

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右:一般に大型と言われる40㎜の個体。左:今回の調査での最大個体。

博物学の基本は形態。形態の基本に大きさ(体長)がある。

前記のとおり、この夏はクロカミキリとヒョウタンゴミムシ類の調査をした。

【基本を無視した博物学

始めにホソヒョウタンゴミムシを調査し、続いてヒョウタンゴミムシを調査。

結果、前記のクロカミキリと共に、図鑑やサイトに記されているサイズより、だいぶ大きいことが解った。

それも、少しの違いではなく、全く大きさが違う。

何故、この様なことが起こるのか。

それは、基本を無視した博物学が先行した結果の他ない。

このことは昆虫に限ったことではなく、広く生物に共通して言えることである。

【初めて見るオオヒョウタンゴミムシ】

今年最後の調査はオオヒョウタンゴミムシ。

標本もよく見たこともなく、海辺で生活をしていることくらいしか分らなかった。

こんな時、頼りになるのが“虫社”。さっそく電話し、お聴きしたところ、採集方法と

エサはサナギ粉が良いということをお教えいただいた。

ポイントは諸先輩方にお聞きし、神奈川県以西にいるとのこと。

よく解らないまま、とりあえず海辺に行き、適当にエサ(トラップ)を仕掛けた。

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トラップは30個ほど。一晩おき100頭余りの個体が採集できた。

【調査結果】

最大は50㎜を超しており、50㎜に満たないものの、50㎜近い個体も複数得られた。

本種の体長は図鑑やサイトでは最大43㎜となっているが、その大きさの差は実際とは2倍ほどの開きがあった。

そもそも初めての採集で最大サイズが得られるとは考えられない。

例えば、初めてノコギリクワガタを採集しに行き74㎜、ミヤマクワガタなら78㎜など採れるはずもない。

そういったあらゆることを考慮すると、本種の最大サイズは53㎜位ではないかと予想できる。

要するに今回、採集した50㎜オーバーの個体も、例えばノコギリクワガタで言えば67㎜程度となる。

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50㎜を超す個体:あくまで最大サイズではない。

 

 ここに、オオヒョウタンゴミムシの大きさにおける一考察を記す。