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もののけ姫

実在する 獅子神 
もののけ姫】に出てくる4本牙の獅子神“乙事主”。
そもそも獅子神に“乙事主”という名はありません。
これは宮崎先生の豊かな経験と感性が作り上げた名前なのです。
が、宮崎先生は4本牙の獅子神の存在をご存知だったようです。

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古から、山の神として奉られてきた獅子(イノシシ)。
現代では神社などで、その名残が見られます。

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老成した獅子では、極希に牙が4本になる個体が現れます。
これが“獅子主”または“山主”と呼ばれる主。
当然、古より獅子主に手を掛けてはいけないとされていました。
しかし、時には獅子主と知らずに、狩猟してしまう事故も起きました。
殺された獅子主は“獅子神”となり奉られ、その山頂に祠や神社を建て奉ったといいます。そして神棚には、神仏として獅子神の頭骨を収めました。

【考察】
もののけ姫]の舞台は“屋久”と言われています。
屋久島は私も何度も原生林に入っていますが、確かに凄いです。
イノシシ(獅子)は北は本州から南は西表島まで分布しています。
南西諸島の個体は“リュウキュウイノシシ”とされていますが、
イノシシは海流に乗り、時には泳いで分布を広げることが知られており、
本土のイノシシもリュウキュウイノシシも大きな差はありません。
特に屋久島の個体は南西諸島、九州本土から渡ってきており、どちらとも言えないでしょう。
もう30年程前になります。長野か岐阜で見たイノシシの頭骨が4本牙の“子神”でした。
後にも先にも、この一度しか見たことはありません。
余談ですが“獅子刺し”“獅子鍋”は最高に美味しいです。
しかし、獅子刺しは食べるのは良くないようです。
が・・・美味しすぎて止められません